台風や集中豪雨による被害が、年々深刻さを増しています。なかでも戸建て住宅にとって大きな脅威となるのが「水害」です。
水に浸かった床、故障した家電、逆流する排水管……そんな映像をニュースで目にし、「わが家は大丈夫だろうか」と不安を覚えた方も少なくないでしょう。
注文住宅を建てるとき、多くの人が間取りや設備に注目しますが、“災害への備え”もそれと同じくらい重要な判断ポイントです。
この記事では、これから戸建てを建てる方に向けて、水害に強い家づくりの基本を解説します。土地選び、構造設計、設備面など、できるだけリスクを抑え、安心して暮らせる家をどうつくるか。ぜひご参考ください。
【この記事を読めばわかること】
- 水害時に住宅が受ける具体的な被害
- ハザードマップの活用方法と土地の選び方
- 水害に配慮した間取り・構造の設計手法
- 設備・備品による実用的な水害対策
- "想定外"を減らす減災の視点
1. 水害が家に与える影響とは?
まず「水害とは何か」を正確に把握しましょう。水害には主に以下のようなタイプがあります:
- 河川の氾濫(外水氾濫)
- 下水の逆流や排水不良による内水氾濫
- 土砂崩れ・地盤の緩み
住宅が受ける主な被害は以下の通りです:
- 床下・床上浸水によるフローリングや断熱材の劣化
- コンセント・配電盤のショートと機能停止
- 家具・家電の故障やカビの発生
- キッチン・トイレからの下水逆流
- 地盤沈下や建物の傾斜
こうした損害は、修繕コストだけでなく、精神的ストレスや生活再建にも大きな影響を与えます。だからこそ「そもそも被害を起こりにくくする」ことが重要です。
2. 水害対策は“土地選び”から始まる
■ ハザードマップを必ず確認する
自治体が提供するハザードマップでは、想定降雨量に対する浸水リスクが色分けで示されています。まずは以下の観点でリスクを把握しましょう:
- 洪水、内水氾濫、高潮、土砂災害の危険エリアか?
- 想定最大規模の浸水深は何メートルか?
- 周囲との標高差は?
ハザードマップは各自治体の防災サイトで簡単に確認できます。
■ 地形や地盤の情報もチェック
- 旧河川跡、谷地、田んぼだった土地は浸水リスクが高め
- 「◯◯川」「◯◯沼」などの地名は過去の地形のヒント
- 盛土された造成地は地盤沈下の恐れあり
- 必ず地盤調査報告書(ボーリング調査結果)を確認
安全性を左右する最初の判断は、まさに“土地選び”なのです。
3. 間取りと構造で「減災」する
災害を完全に防ぐことはできません。だからこそ、住宅設計に「減災」の視点を取り入れることが現実的です。
■ 高基礎・スキップフロアを採用
- 基礎高1.2m以上の「高基礎」は、床下浸水のリスク軽減に有効
- スキップフロア設計により、生活空間の一部を高所に配置
■ 重要設備は2階以上に配置
- 分電盤、給湯器、蓄電池などのインフラ機器は上階へ
- リモートワークや在宅業務用のスペースも2階に置くことで、浸水時も業務継続が可能
■ 避難生活を見据えた設計
- 2階トイレ、洗面、簡易キッチンを備えておけば、水害時の生活維持がしやすくなります
- 屋上や3階を“安全階”として設計する事例も増加中

4. 設備と備品で“機能する備え”を
建物の性能だけでなく、日常的な備えも重要です。
■ 外構や排水まわりの工夫
- 敷地に傾斜をつけ、雨水が建物に集まらないよう誘導
- 雨水貯留タンクの設置による下水への負担軽減
■ 水害対策設備の導入
- 止水板付き玄関ドア、防水シャッター
- 逆流防止弁(トイレ・排水口)
■ 備蓄・避難用品の用意
- 非常用食料、水、簡易トイレ、モバイルバッテリー、LEDランタン
- 雨具、浸水時に足を守る長靴
- 災害用アプリ(気象庁、防災速報)での情報収集
5. まとめ:設計の選択が、安心をつくる
水害対策は、家を建てる「前」の判断がすべてです。
ハザードマップの確認、土地の安全性、構造の工夫、必要設備の選定——これらの積み重ねが、“水に強い家”を実現します。
完璧を目指す必要はありません。大切なのは「どうすれば被害を減らせるか」をあらかじめ考え、選択すること。
家族が長く安心して暮らせる場所をつくるために、水害への備えも“家づくりの基本”として捉えていきましょう。
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