同じ白でも、壁の素材が変わると部屋の空気まで変わります。
朝の斜め光でうっすら影が出る壁。
手のひらでなでると、さらり、すこしだけ柔らかい感触。
今回は「調湿がすごいから」よりも、「触れたときの気持ちよさ」「光がどう映るか」で選ぶ視点に切り替えて、漆喰・珪藻土・ペイントを比べます。
機能は最後に確認、まずは“質感とにじみ”を物差しにしてみましょう。
この記事を読めばわかること
- 左官(漆喰・珪藻土)と塗装(ペイント)の違いと、見え方の差
- 「調湿」は効きすぎる魔法ではない——過信しないほうが快適になる理由
- 汚れ・角の欠け・水はねへの向き合い方と、補修のしやすさ
- 部屋別の“ちょうどいい”使い分けと、DIY難易度の目安
1|“機能ラベル”より、まずは質感と光を試す
サンプルを30cm離れて眺め、次に横から光を当ててみてください。
左官はコテむらが微細な陰影をつくり、ペイントは面がフラットに整います。
最後に手の甲でさっとなでる——
冷たさ、粉っぽさ、しっとり感の違いがわかれば、日々の心地よさは半分決まったも同然です。
2|左官と塗装、いちばんの違いは「面の立ち上がり」
左官(漆喰・珪藻土)は材料自体に厚みが出るので、光が“面の凹凸”で柔らかく拡散します。朝夕の低い光やスタンド照明と相性が良く、写真に写ると質感が生きます。
いっぽうペイントは下地の平滑さがそのまま“仕上がり”に出ます。ローラーのツブ感はわずかに残るものの、全体はスッと静かな表情。アートを主役にしたい壁や、すっきり見せたい廊下に向きます。
3|素材別レビュー:見え方・触感・気をつけたいこと
漆喰
やや硬質で“キリッと白い”。指で触れると粉っぽさは少なく、サラリと乾いた肌触り。アルカリ性ゆえ汚れに強い印象はありますが、黒ずみや手アカはゼロにはなりません。角は欠けやすいので、出隅はコーナー材や木の見切りで守ると長持ち。補修は“部分パッチ→全体ぼかし”の順で。DIY難易度は中〜やや高。
珪藻土
微細な粒が光をやわらかく散らし、“ふわっと”見える質感。メーカーによっては樹脂を含み、水はねに強めの配合もあります。とはいえ調湿は“効きすぎる”ことはなく、ゆるやかに山をならす程度。換気や日常の掃除は別で必要です。手アカはつきます。消しゴムで軽く試し、それでも残るなら部分補修。DIY難易度は中。
ペイント(水性塗料・マット推奨)
面が整い、色設計の自由度が桁違い。タッチアップ(部分塗り)がしやすく、小さな汚れは上からひと塗りでリセットできます。水はねが想定される場所は半ツヤ・艶消しでも拭き取りやすい製品を選ぶと実用的。角の欠けは起きにくい反面、下地の段差やビス跡は丁寧なパテ処理が前提。DIY難易度は低〜中。

4|「調湿」は期待しすぎないほうが暮らしやすい
左官材の“調湿”は、表面が吸って吐いて、室内の湿度の山を少し丸くしてくれる機能。分厚い吸放湿層+十分な表面積+適切な換気がそろって、ようやく体感に届きます。
だから選び方は「調湿があるから」ではなく、“好きな見え方と触感があるから”を第一に。
そのうえで、洗面や脱衣まわりだけ左官にするなど“面積と場所で効かせる”ほうが現実的です。
5|汚れ・欠け・水はね:起きる前提で“小さく”する
手が触れるスイッチまわりや廊下の腰高までをペイント(拭ける塗料)、視線が集まる一面だけを左官にする“上下・面積の切り替え”は効果的。
出隅はコーナー材、もしくは木の見切り(7〜9mm)でエッジを守ると、引っ越しや家具の搬入でも安心です。
キッチンの水はねは左官を避けるか、飛沫域のみガラスやタイルで受けるとストレスがありません。
6|補修のしやすさはこう考える
- ペイント:最も気軽。同ロットの塗料を少量保管しておき、薄く重ねて消す。
- 珪藻土:近い配合で埋め、面全体を軽くぼかすと継ぎ目が目立ちにくい。
- 漆喰:角の欠けは小さなRで納め直すと“事故”が“デザイン”に。パッチ後は光の当たり方を見ながらコテ跡を延長して馴染ませる。
「直せる自信がある素材を生活動線に、味わいを出したい素材を“見せ場”に」という分け方が、家全体をタフにします。
7|部屋別の“ちょうどいい”使い分け
- リビングは主役壁を左官で、その他はペイントで整えると、光が動く時間帯に奥行きが出ます。
- ダイニングは椅子の出し入れで当たりやすい腰高までを拭ける塗料にして、上部を珪藻土で柔らかく。
- 寝室は全体をマットなペイントにして、ベッドヘッド側だけ左官に——枕元のスタンドで“にじみ”がきれいに生まれます。
- 廊下・玄関は角保護を優先、ペイント+コーナー材で丈夫に。
- 洗面・トイレは飛沫域だけ硬質面(タイル・パネル)を混ぜると、お手入れが一気にラクです。
まとめ
壁は「機能で選ぶもの」から「触感と光で整えるもの」へ。
漆喰は凛と、珪藻土はふわっと、ペイントは静かに——
そんな違いを楽しみながら、汚れや欠けは“起きる前提で小さくする”。直せる場所には直しやすい素材を、見せたい場所には質感のある素材を。
それだけで、日々の景色がやさしく変わります。

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